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プロフィール
寿寿
寿寿
寿寿(じゅじゅ) と申します

いつかは 
暴露本を自費出版

普段は
座りっぱなしの事務員

あるときは寿寿を名乗り
仲人になって
お見合いやパーティーをセッティング

一切金銭いただいておりません
今のところ





寿寿❤ › 2017年02月

2017年02月07日

毒子 ふぅ

最後にもう一度だけ

新沼くんのことを考えることにした



もう会うことないわって




電話かかってきたらどうしよお

こーゆー場合は

冷たくすればいい?


今度誘われたら

予定がありますって言えばいい?

2回断れば相手も気づくよね


それに

おつき合いしてるって風でもないし

まだ好きとかそーゆーのお互いないし


別れよう とか言うのも違うし





その日の晩

やっぱり新沼くんから電話がかかってきた



「今日、ひがしと美和ちゃんたちも会ってたんだって

美和ちゃんに俺らのこと話した?

美和ちゃん俺のことなにか言っとった?」




  ゾク…




  

Posted by 寿寿 at 12:29Comments(2)

2017年02月06日

毒子 どどど

独りになれた解放感の電車のなかで

毒子は

間違いなくT駅とまるよね

ってゆーまだ少しの不安もありつつ

恋愛評論家になったつもりで

他人事のように自己分析




好きだったら

もうちょっと一緒にいたいって思うよねふつう

顔が好きになれないから

声が好きになれないから

また今度も会いたいって思えないのは

なんかやっぱりちがうんだよね



異性とおつき合いしたこともないくせに

比べてみる元カレなんていないくせに





自己分析中にちゃんとT駅に無事到着

ここまで来れば余裕

庭みたいなもんだとはうまいこと言う

庭みたいなもんだもん


そう思ったら急に

毒子、疲れが…


まだ帰らんといかん時間でもないので

駅前でちょっと洋服とか見てこうかなって思ったけど


疲れが…

毒子なりに気を使っていたのか

2時間以上も歩かされたせいなのか






喉乾いた

ファンタが飲みたい

家帰ろう


電車の切符を急いで買った



たった二駅だけど

電車に揺られて




新沼くんのことを考えていた




最後にもう一度だけ




  続  

Posted by 寿寿 at 12:21Comments(2)

2017年02月04日

毒子 ふ

新沼くん家は

ものすごく大きかった


やっぱり自分でいうだけのことがある

お金持ちなんだ


ミニチュアの恐竜やミニカーも

欲しいって言ってないのに

送ってくれる

やっぱりお金持ちなんだ




この古臭いサビサビの自転車には

似合わないお屋敷だった




「おじゃまします」


姿は見てないが

おばあちゃんだけ居るみたいで

ひっそりした館みたいだった

犬や猫がいたらなぁって期待したけど

飼ってないようだ

残念

犬や猫なら仲良くできるのに





二階にある新沼くんのお部屋

「なにか飲む?」って言ってほしかった


お決まりのように

中学のときの卒アルをみせてくれた

中学のときも新沼謙治だ

「誰かに似とるって言われる?」

聞いてみたかった



下からおばあちゃんの声がした

「謙ちゃ~ん、なにやっとる?」


おばあちゃんが心配してる

おばあちゃんが心配するようなことなにもしてませんし

そんな雰囲気になりそうにもありません





30分くらいしたら帰りたくなった

「そろそろ帰らんといかんから」

えっもう~ って言われるかと思ったけど

全然だった


毒子は

間違いなくT駅にとまる電車の駅まで案内してほしいと頼んだ


「これに乗れば大丈夫だよね」




 続…










  

Posted by 寿寿 at 10:58Comments(4)

2017年02月03日

毒子 ど

毒子は

隣りの市の新沼くん家に一度だけ行ったことがあった


毒子が

電車の乗り方がわからないって言ったら

新沼くんは

T駅までお迎えにきてくれた

自転車で…

それもサビだらけの古い自転車だった


「後ろ乗る?」って言われた

「大丈夫」って断った

毒子にとって初めての 男子との二人乗り

こんな自転車じゃあないと思った

やっぱりこの人じゃあないと思った



隣りの市まで歩くとゆーことだ


途中で喫茶店に寄った

喉が渇いてどうかなりそうだった毒子だったが

新沼くんはお腹が空いてたらしい

すでに2時間は歩いている


喫茶店から新沼くん家までもう少しだと言う

やっと休憩だ

毒子は喫茶店で

出されたお水を一気に飲んだ

アイスミルティを注文した

お昼どきだったが

水分だけでよかった


毒子が座るこの位置からちょうど見える 一台の古臭い自転車が

砂漠のオアシスで休憩している ラクダに見えてきた

昔っぽい作りの小さな喫茶店だったけど

アイスミルクティがものすごく美味し感じられた


毒子と同い年の新沼くんは自分でよく言ってた

お金がある

貯金が500,000円ある って


だったら

ごちそうさまでした 遠慮なく


喫茶店を出て

ラクダを引っ張っている新沼くんが言った

「もうすぐだよ」 って

そういうのは信じないようにしている

もうすぐだと喜んどいてそうでもなかったときのツライこと


20分くらい歩いたかしら

せっかく喫茶店のエアコンで涼しくなったのに


自分がなんでこんな長い距離を

なんで新沼くんと並んで歩いているのか

砂漠って無言で歩くイメージ

ひたすら歩くってイメージ

ほんとそんな感じだった

あのとき日焼け止めクリームを塗っておけば

あれから30年以上経って後悔した毒子だったらしい



やっと着いた



新沼くん家は

大きなお屋敷だった




  続…
  

Posted by 寿寿 at 12:11Comments(2)

2017年02月02日

毒子にも

新沼謙治に似とる

笑えないくらい似とる


一目惚れ せずにすむ顔だった

毒子も顔ランクでいくと

下の上なんで

お互い様な感じで




毎晩のように飽きもせず

新沼くんから電話がかかってきた

向うからかかってくるので安心して長電話ができるけど

盛り上がらない


ついでに

声があんまり好きじゃあなかった


それでもってその声のくせに

「俺のことなんて言っとった?」

が口癖のようで



例えば

「ひがし、俺のことなんて言っとった?」

「美和ちゃん、俺のことなんて言っとった?」


「なんも…。」

だってほんとに

新沼くんのことなんて

なんも言ってないから




電話に毒子の母親が出れば

「おかあさん、俺のことなんか言っとった?」

って聞いてくるので面倒が臭い


隣りの市に住む新沼くんから

三日に一回は郵便物が届いた

届く郵便物は茶封筒で差出人が書いてない

それにどう見ても重くて定形外なのに

定形郵便物しか送れない60円切手しか貼ってなかったから

受け取るほうの毒子の母親が毎回不足分を払っていた


いつも中身は

ミニチュアの怪獣やミニカーだった

毒子が欲しいって言ったわけじゃあないのにどんどん送られてきた


「おかあさん、俺のことなにか言っとった?」


言ってやりたいが

毒子の母親が切手代のことは言わなくていいって言うから

新沼くんは知らずに済んだ



 続…
  

Posted by 寿寿 at 12:58Comments(2)

2017年02月01日

毒子に

デブ男と彼女のせいで

やっかいなことに巻き込まれた毒子


あれからすぐだった

今までみたいな

ふつうの高校生活に戻れたような気がした頃


毒子に

ひがし君が彼を紹介してくれるって

ひがし君の友達を会わせたいって

美和ちゃんが言ってきた




毒子初めての彼氏となるか


初めて会う日

やっぱり緊張しない

毒子はいつもそうだ

学生のときの面談や面接

就職活動中の面接

緊張したことがない

ドキドキしたことがない

ここまできちゃったらなるようになるしかない

そう考えると落ち着けるもんである



紹介してくれるっていう日

ひがし君ん家に集まることになった


このひがし君のお部屋は

美和ちゃんが学校帰りにわざわざ遠回りして寄ってくとこで


美和ちゃんとひがし君の初接吻もこのお部屋

美和ちゃんから

ちゃんとその日の晩に毒子に報告があった

接吻の経験のない毒子は

根掘り葉掘り質問してみたいと思ってたら

わかりやすく説明してくれた美和ちゃんであった



このお部屋だったのね

なるほどね

想像力を鍛え中の毒子恥ずかしくなってくる




美和ちゃんと毒子がひがし君ん家に着くと

もうその彼もいたんだ

彼は

おとなしそうで

痩せてて


この人が彼氏になるかもしれない人?



新沼謙治に似とる


 毒…
  

Posted by 寿寿 at 12:52Comments(2)